今の時代に必要なリーダーシップとは？若手社員に求められるスキル

昨今、多くの企業でリーダーシップが注目されており、リーダーシップ力を培うための社員研修などが行われています。とくに若手社員はさまざまなスキルを身に付けることが期待されており、リーダーシップスキルは比較的プライオリティの高いスキルといえるでしょう。そこで、今回はリーダーシップの特徴や若手社員に必要なスキルを紹介します。

リーダーシップには種類がある

リーダーシップという言葉は広く浸透しつつありますが、言葉の意味を構成する3つの要素を理解しておかなければなりません。

労働政策研究・研修機構ではリーダーシップを構成する3つの要素として「ビジョン・目標を掲げられること」「関わる人たちのやる気・情熱を引き出すこと」「推進力を出していくこと」を定義しています。

ただ、実際リーダーシップにはさまざまな種類があり、それぞれの特徴を理解しておく必要があるでしょう。

■支配型リーダーとは

支配型リーダーの場合、リーダーが組織を牽引していきます。リーダーの強い意志や信念で組織が動き、他の社員に対して的確な指示をすることで組織をよい方向に導くのが特徴です。

■民主型リーダーとは

民主型リーダーとは支配型リーダーの対峙的存在です。リーダーは他の社員にアドバイスはするものの、最終的な判断は社員によって決められるというもの。もちろん、社員がミスリードしないようにリーダーはしっかりとアドバイスしなければなりません。さらに、間違えた方向に行かないように軌道修正についても常に考えておかなければならないでしょう。

■奉仕型リーダーとは

近年、幅広く浸透しているのが奉仕型リーダーです。奉仕型リーダーの場合、あくまでも裏方のような存在で立ち振る舞い、他の社員が動きやすいように環境を整えることに専念します。また、社員を褒めたり、モチベーションをあげたりと、メンタル面でのサポートも行います。

■ビジョン型リーダーとは

最近増えつつあるのがビジョン型リーダーです。ビジョン型リーダーは会社としての目標やプロジェクトの目標を掲げて、どのような道筋で進むべきかざっくりと社員に共有します。しかし、実際のプロセスや方法は社員に委ねられており、あくまでも社員の自主性を尊重した方法といえるでしょう。

時代によって求められるリーダーシップは異なる

時代によってリーダーの在り方が変わっています。たとえば、高度経済成長前からはトップダウンでのリーダーシップが主流でした。社長はもちろん、上司であるリーダーの意思や方法は絶対であり、社員はそれに従って仕事をしなければなりませんでした。いわゆる支配型リーダーの全盛期ともいえるでしょう。

もちろん、支配型リーダーシップの場合は短期的に結果が出やすいという特徴がありますが、社員にかかるストレスが強くなる可能性があるため、時代とともに薄れていった背景があります。

そこで、生まれたのが民主型リーダーシップです。しっかりと社員の意見や方法を汲み取ることが重要とされ、高度経済成長期後の主流のリーダーシップになりました。その後、奉仕型リーダーやビジョン型リーダーと変遷していき、現在に至ります。

今の時代に必要とされるリーダーシップとは

時代とともに求められる能力が異なりますが、今の時代に必要なのは判断能力に優れたリーダーシップといえるでしょう。というのも、SNSでの不祥事や新型コロナウイルス感染症の蔓延、地震や台風などの自然災害など、現代社会ではさまざまな弊害が起こります。

そして、さまざまな障壁を乗り越えるためにはリーダーの力が必要なのです。リーダーが的確な判断を迅速に下すことで、社員がどのような方法でどこに向かえばよいのかを瞬時に理解できるでしょう。そして、さまざまなトラブルや弊害をクリアしていき、会社自体が成長していきます。

次世代リーダー育成するには

現代社会に必要なスキルは判断力ですが、これからは判断力とともに柔軟性と危機管理能力を備えたバランス型のリーダーを育成していかなければならないでしょう。これからの社会、どのようなトラブルが起こるか誰も予想できません。そのため、どのようなトラブルが起こっても柔軟に対応できるリーダーが必要です。また、トラブルを未然に防ぐためにも危機管理を徹底した人材が求められるでしょう。

ただ、柔軟性や危機管理能力を持った次世代リーダーの育成には相当な時間がかかることが予想されます。そのため、充分な育成期間を確保して、今後の社会を支えるリーダーの育成に注力しなければなりません。

昨今は奉仕型とビジョン型を兼ね備えたリーダーシップ論が展開されていますが、次世代リーダーは柔軟性や危機管理能力など、幅広いスキルが求められるでしょう。育成には時間がかかり労力がかかるかもしれませんが、今後の社会や会社運営には非常に重要なポジションになることが期待されます。

 

まとめ

さまざまなところでリーダーシップスキルが求められています。リーダーシップの考え方は時代とともに変遷していき、高度経済成長期前後では大きく異なるようです。そして、これからの社会でもどんどん変わっていくといえるでしょう。そのため、次世代リーダーの育成に注力し、これからの会社運営に必要な人材形成を行うことが求められています。